櫻塾のご案内

「メソード演技」ってどんな演技ですか?

1947年、ニューヨークに設立されたアクターズ・スタジオから数多くのアメリカを代表する俳優たちが生み出されました。俳優たちを指導していたのが芸術監督だったリー・ストラスバーグで、その指導方法が「メソード演技」と呼ばれるようになり、世界的に知られるようになりました。

「内面からの演技」とは?

例えば、少し古い話になりますが、1964年に公開された「質屋」というアメリカの名作映画があります。主演ロッド・スタイガーの演技が世界的に注目をあびて数々の賞を受賞し、2008年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録され、永久保存されました。

数多くの心に残る作品を残したロッド・スタイガーはアクターズ・スタジオのメンバーであり、〈性格俳優〉として高く評価された素晴らしい俳優でした。性格俳優とは、ウィキペディアによると「劇中人物の性格を巧みに演じたり、個性のある役を得意とする俳優」とありますが、補足させていただければ、「個性的な人物の性格を巧みに演じる」性格俳優の演技は、俳優の内面から生みだされる「生きた演技」であるということです。心の動きがそのまま観客に伝わってくる「内面からの演技」で、映画に限った演技術ではありません。現在でもアクターズ・スタジオには、アル・パチーノ、ダスティン・ホフマンなど〈性格俳優〉と言われる世界的な個性あるスターたちが数多く所属し、「内面からの演技」に研究を重ねながら、舞台でも素晴らしい演技をみせてくれています。しかし、こうした演技は一体どのようにして生み出されていくのでしょう。

守輪咲良が教える「メソード演技」とは?

学生のころ観た映画「質屋」との出会いが、私の「メソード演技」との出会いにつながりました。
この映画をみて大きな衝撃を受け、ロッド・スタイガーの「内面からの演技」に心を揺さぶられ、何をどうしたらこういう演技ができるようになるのだろう──その訓練法を知りたい! その一心でニューヨークへ向かいました。そしてリー・ストラスバーグに出会い、直々に「メソード演技」と呼ばれる「内面からの演技」の指導を受けました。これが私の演技指導における背景であり、咲良舎/櫻塾ではこの「メソード演技」が基盤になって演技指導が行われています。

アクターズ・トレーナー

守輪咲良

守輪咲良
プロフィール詳細

レッスン内容

「メソード演技」の目指すものとは?

「メソード演技」では何を一番大切にし、どんな演技を目指しているのでしょう?

まず、何より俳優たちの演じる登場人物が、観ている人たちに〈生きた人間〉として感じられ、舞台上で起こっている出来事が[真実]として観客に受け入れられることが大切です。
そのためには、俳優自身が常に舞台上での『真実』を追求し、たまたま上手く演じられたことに満足することなく、何度上演しても、その人物として体験していることを確かなものにしていかなければなりません。そして、それを実現するためには身についた演技の基礎力が必要なのです。
また、俳優が自分のやっていることに不安や迷いなどなく受けとめられ、観客やカメラの前で緊張することなく、安定して求められている演技に集中できるようになるためにも、この基礎力がどうしても必要になります。基礎力なくして、クリエイティブな演技を繰り返すことはできません。

癖と緊張を取り去る!

さて、演技の基礎力を身につけるには何が必要でしょう? セリフを暗記する前に、やるべきことがいろいろあります。まず、自分の「心と身体の癖」を取り去る必要があります。癖は個性とは違うもので、癖が強いと心も身体もその癖に縛られて自由になりません。そして本来の個性が発揮されにくくなります。演出や指導が、入るべきところにスムーズに入っていきません。また、考え方にも「思考の癖」があります。例えば、台本を読むとき、〈あなた自身の考え〉で読んでいませんか? 「思考の癖」をもったまま台本を読むと、作品の本質が見えてきません。

多くの場合、心にも身体にも癖のあるところに緊張がみられます。まずはこのいらない緊張を取り払い、自分を解放してやること。そして、本来的な個性や素直な感性を養うことが大切です。「メソード演技」の基礎トレーニングは、この心身の癖や緊張を取り去る作業、〈リラックスゼーション〉から始まります。さらに感覚への集中力を養いつつ、自分自身を外側に開いて、自由に表現ができるようになることを目指します。自分が何を見て、何を感じ、どう行動するか、あなた自身が見つけられるようになること。上っ面な声でしゃべるのではなく、セリフが自分の身体や心を通して語られることなどをレッスンで体験してください。

役への集中力を養う!

役の人物はあくまでもあなた自身が演じるのです。つまり役の人物が劇中で体験することは、あなた自身の体験そのものとなります。ですから、あなたの感性、声、身体のすべてが役作りの大切な要素となり、その人物の生きた血肉となっていきます。俳優の肉体や声だけでなく、心や言葉、思考などが「役作り」に反映されるということです。「メソード演技」では、そのすべてを総合して俳優の「楽器」と呼びますが、まずはエクササイズを通して「楽器」の癖を取り去り、あなた自身が舞台上の状況に「いる」こと。そこから「役として生きる」ことを学んでいきます。

「メソード演技」を学ぶには、エクササイズとシーン・ワークが重要な二本柱になっています。シーン・ワークでは「役」への集中力を養いますが、そのための〈スピーク・アウト〉の手法を学び、「与えられた状況」に入っていく訓練を受けます。大切なのは、演じている最中に頭のなかで自分のやっていることを否定的にチェックしないこと。やろうと思ったことをやり切りましょう。よくあることですが、やりながら失敗を反省したりして成すべき事への集中が損なわれないようにすることです。そのために舞台上で何をどうしなければならないかを学びます。

レッスンのご案内

【対象】

プロ及びプロを目指す方。

【内容】

週2回。エクササイズとシーンワークの2つのクラスがあります。

エクササイズでは、心身のリラックスや感覚への集中を通し、感情の解放やコントロールを学びます。また、エチュードではまずは舞台上に「いる」こと、そして与えられた課題にどう取り組むかなど、演技に必要な基礎的なことを学んでいきます。
シーンワークでは台本を使用。抜粋された場面をテキストにして、その場面で自分がどこにいて何が起こっているのかなど「与えられた状況」から役への理解を深め、同時にその人物に起こることを体験していきます。

【日時】

毎火曜 18:30~21:30(エクササイズ)
毎木曜 13:30~16:30(シーンワーク)

毎金曜 13:00~15:00(エクササイズ)、15:15~18:00(シーンワーク)
※令和3年1月に発令された緊急事態宣言により、夜のクラスは午後に移行しました。
現在、エクササイズとシーンワークの2つのクラスは、金曜日の午後に続けて行われています。
状況により日時が変更になる場合もありますので、詳しくはお問合せください。

【会場】

川崎Japan Dance School カレッジJDS内
(JR川崎駅より8分、京浜急行川崎駅より6分)

【募集人員】

10名程度まで

【レッスン料】

15,000円(税込・月謝制)

※入会費はありません。
※月謝は月初めに納めていただきます。レッスンは月に全8回で、5週目はお休みとなります。本人の都合によるお休みや退所の場合、原則、一度納められたレッスン料の返金はいたしませんのでご了承ください。
※お申し込み方法はページ下部をご覧ください。

個人レッスン

講師と都合がつく日時を予約することができます。プロとしてすでに演技経験のある方で「メソード演技」の基礎やテクニックを本格的に学びたい方、レッスンを体験してみたい方、毎週同じ時間にクラスに参加することが難しい方などには特にお薦めいたします。また、まだ演技経験の浅い方、クラスを受講する前にレッスンではどんなことをやるのか、はじめる前に体験してみたい方などにもお薦めいたします。詳しく説明を受け、身体を慣らした上で通常のクラスでのレッスンを受けることもできます。料金、会場などはお問い合わせください。

※お申し込み・お問い合わせ方法はページ下部をご覧ください。

体験レッスン

体験レッスンも受け付けています。メールフォームからお申込みください。

【レッスン料】

一回 3,000円(税込)

見学について

レッスンの見学をご希望の方はお問い合わせください。

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